これはTomなのか? Curiosa前インタビュー(2004)

 

誰をインタビューしたのか、ライターが書き忘れているという、致命的なインタビューですが、内容から言えば間違いなくTomだと思います

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クーパー・テンプル・クロースは、イギリスとアメリカの間にある情報環境の違いの申し子とも言える。基本的に、イギリスの彼らのファンはとても彼らのことをよく知っていて、大西洋のこちら側のファンは情報が足りないと言うか。でもそれはどうでもいいのだ。それこそが、バンドがここにいる理由である。2ndアルバムを披露するために、彼らは初めて、アメリカでツアーをしているのだ。

Q:KUTFはCMJカレッジチャートで初登場53位だったよね。
T: そうだね。

Q:でもUKでは5位まで行ったんだって?
T: うん、かなり驚きだったんだけど。予想もしてなかったから。

Q:すごいことだね。こういう時は誰が、「おいみんな、ところでUKで5位 になったぞ」って伝えに来るんだい?
T: マネージャーだよ。彼は親友でもあって、13くらいの頃から知ってる。クールだったよ。「わー、すっげえ!」って。みんなぶっ飛んだね。

Q:クーパー・テンプル・クロースの歴史を知らない人たちのために、かいつまんでバンドを説明してくれる?
T: うん、俺たちは6人組で、学校で出会ったんだ。まず最初に俺はリード・シンガーのBenに会って、ちょうどその頃11歳くらいだったかな。で、一緒に学校へ通 いながら育って、その過程でメンバーを選んでいった。学生時代はいつでも、とにかくバンドを組もうとしてた。で、卒業して、ギグやって、契約したんだ。

Q:で、君たちはちょうどこちらへツアーで来る途中なんだよね。
T: 他の奴らは明日来ると思うよ、たぶん。で、D.C.で会うことになってる。

Q:こちらでプレイしてみて、本国でのオーディエンスと大きな違いって感じるかな?
T: 実はこれまでアメリカでは1回しかショウをやったことがなくて。10月にやったCMJフェスティバル。あれは、すごく、すごく良かったんだけど、24時間ぶっ続けで飛行機に乗ってて、くたくたで。ほとんど夢の中で、起きたら突然ステージに放り出されて、んで演って、はい、おしまいって感じ。だからあんまり何も感じなかったし、できなかったよ。だからみんな、今回ショウをやりに行くのがとても楽しみなんだ、アメリカのオーディエンスの前で演るという経験をするのがね。

Q:アルバムが5位になったなら、きっと有名になったんだろうね。道を歩いていると、みんな君たちだとわかって、指を差されたりする?
T: (笑)いいや、別に俺たち、リード・シンガーに注目が集まる感じの、伝統的なバンドじゃないからね。色んな場所に散らばってるし。でも変わった、気が狂ったようなファンは今も昔もいるけどね。別 にかまわないんだ、それは。だから俺はクリス・マーティンみたいにデカイ帽子を被ってデカイスカーフを巻いてるよ。

Q:僕がKUTFを気に入っているのは、たくさんの音楽的スタイルが盛り込まれているからなんだけど、こういうのって、どこから湧いてくるの?
T: 俺たちにはメインのソングライターっていないんだ。だからまずアイデアを出し、誰かが来てそれを一緒にプレイして、またしばらく放っておくという感じだね。するとまた別 のメンバーが来て、何かを足していくんだ。そうやって全ての曲が出来上がっていくんだよ。終わり頃になると、最初の段階よりはまったく違ったものになっていて、すべてのメンバーが違ったやり方でそれに関わっているということになるんだ。

Q:何年も演ってきて、そういうアイデアを出すのって、どんどん簡単になるものなのかな? やってるうちに、どんどんみんなの期待が大きくなってきたりする?
T: うん、3rdアルバムにはちょっと大きなプレッシャーがかかると思う。2ndは確かにやや簡単だった。何年もツアーをしてて、とにかくスタジオに戻りたかったからね。それに自分たちのスタジオを建てることにしたんだ。大きなスタジオに行くと、冷たい感じがするし、莫大なコストがかかるのがイヤだったから。だから住んでる場所の郊外に小さなスタジオを建てて、そこへ詰めたんだけど、最初の3週間のあいだにもうアイデアが飛び交ってたよ。

Q:アメリカへ来ることに関してプレッシャーは感じた? 不安だったりするかい?
T: いや、そんなことはないよ。このアルバムについては現実的になって、イングランドでやってたことをそのままやろうと、人々の前に行って、彼らに評価を任せようと思ったんだ。ハイプとして取りざたされるバンドって、結局は悲劇にすぎないと思ってきたからね。とにかく行ってショウを何度かやって、人を集めたかったんだ。それが俺たちのやり方だから。ライターが取り上げてくれればそれで儲けもんだし、プレスが取り上げてくれれば、それで儲けもんだし。

Q:君たちのバンドは、時事問題や政治について考えさせる音楽を書くことに、興味はあるのかな?
T: 俺たちはたぶんそういうバンドじゃないと思う。もしバンドという形でそういうことをやろうとするなら、自分らの言ってることを理解してなきゃだめだし、説教臭くなってくると、すげえバカみたいに聞こえるだろ。俺たちのアルバムはみんな内省的だけど、自分らと、周りの友達とか、家族とかとの関係について描いてるんだ。まあ、クーパー的政治ソングを聴く機会は当分ないと思うよ。わかんないけど。可能性がないとは言えないけどね。

Q:こういうものに関して、自分たちとは違った見方を教えられるのは、いいことだけど、今アメリカは外から見てどう見えるんだろう?
T: えーっと、俺たちに対しては、アメリカ人はすごくフレンドリーだったけどね。

Q:ホント?
T: (笑)うん。ずっと言葉に馴染もうとしてるよ。俺たちの言ってること、わかってもらえなかったしね。で、こっちもspiritsのことをBoozeっていうなんて知らなかったし。

Q:なるほど。ツアーではどこを訪れる予定?
T: D.C。から初めて、基本的には全国だね。SXSWへ行って、カナダへ上っていって、確か4月1日に終わるんだよ。で、5月にCoachellaフェスに出るんだ。

Q:そりゃすごいね。ロバート・スミスやトム・ヨークなんかと一緒にプレイできるなんて。
T: うん、ラインナップを見たら俺たち、「何これ、パーフェクトじゃん!」って感じだった。フェスティバルで誰とプレイしたいかって、そりゃ、自分たちの好きなバンドに決まってるだろ? 信じられないよ。行ってプレイして、彼らを見れるなんて、嬉しいね。こういうフェスティバルでは、時々プレイするだけで、すぐどこかに行かなきゃいけないこともあるから……。

Q:フェスティバルでプレイするとき、歩いて探してでも姿を見たい人っている?
T: 惚れそうになっちゃう人がけっこういるよ。できるだけ避けるようにしてるんだけど。自分のアイドルに会うなんて、危険だもん。

Q:例えば?
T: 去年、QOTSAの前に演っだんだけど、デイヴ・グロールがいてさ、立って俺たちを見てたんだ。それから俺たちが彼らの演るのを見た。デイヴ・グロールが5m先にいるのを見てたんだぜ。信じられなかったよ。野獣みたいな人だった。

Q:UKシーンで、最もエキサイティングだと今思うのは誰?
T: 今はあんまりたくさんいない気がするな。Oceansizeっていうバンドと一緒に演ったけど。アメリカにもよく来てるはずだよ。彼らはとにかく素晴らしいね。Streetsのマイク・スキナーがソロ・アルバムをこないだ出したんだけど、ちょっと変わってて、俺たち大好きなんだ。みんな色々な音楽を聴くし、色々なものが好きだね。

Q:自分たちの曲を書くとき、そういう他の音楽を引用することがあるのかな。それともあくまで自分たちの内面 を見つめて、革新的なものを生みだしていくのかな。
T: もちろん、他の人たちからインスピレーションを得ることはあるよ。ツアーに出て、たくさんの人に会って、彼らの音楽を聴くのは、そういう利点もあると思う。アメリカへ来て、ラジオを聴くだけでも、イングランドとはとにかく違うから。新しい音を見いだしていくのが俺たちの姿勢なんだ。音楽に対して、革新的なアプローチをしていくっていうね。