Tom & Kieranインタビュー2 

 

Curiosa中のアメリカのインタビューみたいです。例によって序文は省いています。
2人が過去はまったことのある遊びとは? TomとKieranの隠された野望、Kieranの新しい呼び名、そしてDidzに関するある噂。ここより。

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まず、自己紹介をしていただけますか。

T: こんちは。Tomといいます。キーボードとギター担当です。
K: どうも。僕はKieranで、僕もキーボード担当です。


5つの言葉でTCTCのサウンドを表現できるとすれば、どんな言葉になるでしょうか?

T:美しい。はい、お前の番。
K:えーっと、荒削り。
T:不安な感じ。
K:希望に満ちてる。
T:あとは……
K:ダイナミック。
T:うん、ダイナミック。


The Cooper Temple Clauseっていう名前はどこから取ったんですか?

T:よく通ってた道にThe Cooper Garageっていう車庫があって、まだ小さいときにそこでよく遊んでたから、Cooper Crewっていうあだ名をつけられたんだ。10歳か11歳くらいの時かな。

K:うん、実際全然意味はないんだ。Cooper Crewと子供の頃の思い出の他には。でも、長くて変な感じがするし、あまりシンプルな名前をつけたくなかったんで。


Curiosa終了後に、またレコーディングをしてたそうですが……。

T:うん、ちょっとやり始めた。


新しいアルバムはどんなものになりそうですか。

T:不安でダイナミック(笑)。

K:暗い。1stから2ndと同じ感じで変化していると思うよ。3枚目も同じくらい違ったものにしようと思ってる。
 というか、まだ自分たちでもどんなサウンドになるかはっきりわかってないんだ。半分終えたくらいだから……半分も行ってないかもしれない。
 
T:まあ、もっともっと暗い方向に進んでいくとは言っておく。

K:(笑)

T:暗〜く、深〜く。ね。

K:それ、いい感じだな、Tom。


レディオヘッドと比較されることに対してはどう思いますか。

T:嬉しいね。

K:うん、最大の褒め言葉だよ。あんまり本当とは思えないけどね。どうだろう。イングランドではそういう評価は受けないよね。もっと他のバンドと比較されるよ。

T:うん、アメリカ人はレディオヘッドの方と比較したがるよね。当然のことだけど、あんまりイングランドのバンドが来てないから、彼らと比べられるんだろうな。


いつアメリカへ戻ってこられますか?

K:うーん、残念ながらはっきりわからないんだ。すごく戻ってきてショウをやりたいんだけども。このあとも数カ月前にやった単独みたいなツアーを続けてやって、せっかく得たファンを確保したいんだけどね。でもとにかく予算とかそういうつまらないもので決まってくるんだよ。自分たちで決められるのなら、いつだってやるけど。


フェスティバルでたくさん演ったそうですが、単独ツアーとどっちが好きですか?

K:どっちもいいね。

T:フェスは楽しいよ。今日みたいに、何も考えずステージに上がって、すごく悪かったり逆に良かったり、っていうのはすごくドキドキするんだよね。単独ツアーだと、何が起こるか大体予測できるでしょ。でも反面 、そういうショウではたくさんの人が走り回って、はしゃいでたりするけどね! この前の単独ツアーだって、人がすごく近いところにいて、すごかったよ。


理想のフェスティバルを作れるとしたら、誰を呼んで、場所はどこにして、名前は何にしますか?

K:こういう木がたくさんあるところは個人的に好きだね。こんなふうに大きな円形ステージがあったりするのは。

T:うん、こういう所では今まで演ったことないよね。森のまん中にいるみたいだよ。あ、でも前にやったか。あれはどこだっけ?

K:ああ、ワシントンね。コロンビア山脈の外郭で、最高だったね。陽の光が葉の隙間からこぼれて、きれいだったなあ。

T:うん、絶対にそういうのがいいね。

K:イングランドにだって森はあるしね。やろうと思えばできるよな?

T:誰呼ぶ?

K:オフ・ダ・マーかな。

T:うん、オフ・ダ・マーは出るね。

K:すごく仲良くなったしな。

T:ミューズは。

K:ああ、もちろんミューズもだ。

T:レディオヘッド、スーパー・ファーリー・アニマルズ、オーシャンサイズ、Eighties Matchbox B-line Disaster。

K:エイフェックス・ツイン……それとエレクトロニカのバンドをちょっと入れて。おお、なかなかいい感じになって来ない?(笑)


で、フェスの名前は?

T:クレイジーフェスティバル……

K:森の冒険クレイジーフェスティバル(笑)


NewToysっていう曲でしたっけ、私すごい好きなんです。実際は、子供の頃どんなオモチャで遊んでいましたか?

T:ロック・モンスターズ? 何ていう名前だっけ?

K:あの広がるヤツ?

T:うん、あれは良かった。あと、He-Manフィギュアをたくさん持ってた。

K:あれもカッコよかったよな。俺はMicro-Machinesをたくさん持ってて、あと道具箱なんだけど広げると都市になるやつがあったね。あ、あともちろんレゴ。


では、ミュージシャンになっていなかったら、何を職業にしていたと思いますか?

T:銀行強盗。


ええ、本当に?

T:うん、俺すごい銀行強盗が上手いんだ(>大丈夫ですかこの人は)。


で、Cooperクルーとか呼ばれたいわけですか?

T:うん。いや、わかんないけど。盗みをやるなら、単独でやるのが好きなんで。

K:(爆笑)


ええ〜?

K:俺はたぶん……あ、やっぱいいや。


いえいえ、どうぞ。

K:俳優になると思う(>隠れた野望??(゜◇゜)ガーン)。


演技の経験はあるんですか?

T:ここでアレをやってみなよ。

K:よし。(ぐすんぐすんと鼻をすすりだし、悲しい表情を作って泣き声を立てる)

T:あの顔見た? あの顔テレビで見るのに耐えられる?


大丈夫ですよ。私見ます。

T:でも、あんまり感じが出てなくない?


『秘密の花園』に出てくる、あの男の人を演ればいいんですよ。車椅子に乗ってる……

T、K:見つめ合い、黙り込み、爆笑する

K:それ、最高だろうなあ。君がもし何か役をくれるなら、なんでもやるよ。


もちろんあげますよ。ところで、人々が想像しないような音楽を聴いてたりしますか?

T:エレクトロニカを聴くよ。LFOっていうグループがあって、個人的に好きだね。あとRadioactive Man。

K:ひとりひとりに聞いたら、全然違う答えが返ってくると思うよ。それぞれ得意なジャンルがあるから。いろいろな違う要素を、ひとつのバンドに盛り込んでるような感じなんだ。すごく様々で……ジャズとか……って、そんなに広げてもいいの?


どうぞどうぞ。お好きに。

K:よし。ジャズが好きなヤツが何人かいてね、例を挙げると……

T:Kieranとか。

K:ああ、俺とか。Didzがちょっと俺にはまってるんだ。


ああ、彼、戻ってきたんですよね?

K:うん、戻ってきたよ。

T:昨日…一昨日かな、また合流したんだ。

K:チャールズ・ミングルとか、マイルス・デイヴィス、 Lenor Servister、あとモグワイ。(>まだ続いてた!)


音楽からも、いろいろな背景を持ったバンドだっていうのはわかりますよね。

K:うん、何もかもがごちゃごちゃに放り込まれた感じでしょ。


ライブで演奏する最も魅力的な点は、何だと思いますか?

K:俺たちっていつも、演奏することを楽しんでて、なんというか、夢中になっちゃってるんだ。まるで、いやいや演ってるみたいに突っ立って、感情を表に出さないバンドはたくさんあるけど、俺たちはそういうものを表面 に出すことに抵抗がない気がするね。実際、作ってる曲の中には、ライブで演るとすごく雰囲気が出るものがあるし。 そういう曲から、ヘヴィーなロック・チューンに移ったり、とにかく多様なんだ。同様に、俺がいつも行きたいと思うライブも、やっぱりある時はダウンな気分にさせられたり、逆に再度盛り上がったりとか、予測のつかないものだしね。そういう意味では俺たちのライブには相当な変化があるよ。


KUTFLTFBLのタイトルを、正確にはどう思いますか? アルバムの音を表現していると思いますか?

T:なんとなくイメージが好きでね。君の方が俺より詩のことは分かるんじゃない?

K:うん、俺たちのアティチュードを表してるとは思うなあ。俺たちの音というかサウンドメイティング(sound making をsound matingと言い間違える=matingは交尾という意味がある)…メイティングじゃねえや、メイキングだ(笑)…っていうのは、あんまり結果 のことを考えずに、突発的に何かを始めることに尽きるからね。終わりがフォークっぽい、パリジャン・カフェ・ミュージックになってもまったく問題ないんだ。スモーキーなジャズとかそんな風になってもね。

T:それって同じことじゃん?(>たぶんmakingとmatingの話)

K:そうだな(笑)。ダンスとかテクノ……何でも、そのくらい違った物が入ってていいんだ。俺たちのやってることって、いわば、音楽を作ってそれを再現して、あとになって原型がどのくらい壊れちゃったのか確かめるっていう感じだね。


曲を先に書くんですか、それとも歌詞?

T:曲だね。いつも曲が先。そうすることでもっと、何ていうか、音楽があれば、どういう感じか、感覚でわかるじゃん。そして歌詞を書いて、その曲の性質に合わせて行くんだ。


ツアーに出るときの楽しみは何ですか? 旅行できるということは別にして。

T:旅行できるって言っても、何も見られないんだよ。駐車場と円形ステージとかしか行けないの。モントリオールに行ったとき、ちょっと出かけたけど……昨夜どこにいたんだっけ。バッファロー?

K:うん、バッファローってとこに初めて行った。

T:……でも、出かけなかったんだ。だからちゃんと外に出たのはモントリオールだけだったね。


デトロイトでも、何も見なかったんですか?

T:うん。

K:前に来たときはMagic Stickって所で演ったんだけど。


ああ、あそこは私の好きなヴェニューなんです。そのショウにも行こうと思ってたんですけど、テストがあったので……。

K:ありゃ気の毒に! そうそう、前のツアーではまだよかったんだ。街にいて、バーに行ったり、いろいろ観光できたからね。でも今回は、どこにも行けないんだよ。


この文章を完成させてください。音楽ダウンロードは……。

K:ああ、何だろう。音楽ダウンロードは…必要悪だ。


いい答えですね。

T:うん、名答だね、Kier。(>省略形らしい)


伝説のバンドを作るとしたら、メンバーは誰にしますか?

(ローディーのAndy VZが入ってくる)

T:Andy VZがドラムをやると思うよ。

K:そうだな(笑)

A:え、俺のこと何話してるんだよ? 俺また何かやったっけ?

K:最も偉大なるバンドでは、お前がドラムを叩くって話だよ。やるだろ?

A:うん、ドラムマシンがあったらね。

K:座ってボタン押しゃいいんだもんな(笑)。

A:10万人を前にやったことがあるよ。すごいウケたぜ。

T:またまたぁ。

A:……ケーブルの接続チェックだったんだけどね!

T:(笑)。じゃあ、彼がドラムね。

K: ピン芸人としてサウンドチェックしてみるべきだな。

T: お前の番だよ、Kier。

K:ジミヘンを入れられたら、理想的だね。

T:ヴォーカルはフレディ・マーキュリーにしよう。


クィーンの? いいですねぇ。

K:うん、だよね!


この質問すると誰もがフレディ・マーキュリーを入れたがるんですよ。

T:本当? なんだ、じゃあつまらなくなってきたな。

K:オイオイ。


ごめんなさい、別に彼でいいですよ。続けてください。

T:畜生。じゃあ、PJ ハーヴェイとフレディ・マーキュリーにする。

K:それ面白いな。

(インタビュアー、下を向く)

K:ちょっと。まだ終わってないんだから。


あ、そうですね。

K:(笑)見てたぞぉ。今下向いたろう(笑)。ベースには……うーん……キーボード兼任でジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリンのドラマー)かな。

T:(笑)

K:ボーナムじゃないや。ジョン・ポール・ジョーンズだ。すまん、自爆した。

T:お前よく自爆するよね。

K:先取点があるうちに黙るべきだな。

T:それが一番いいよ。


演奏することが夢だったと、一瞬でもはっきりと思ったことがありますか。それともずっと夢でしたか。

T:うん、俺にはいつも夢だったね。すごく緩やかな夢ではあったけども……。成長する過程でメンバーが集まっていって、リハーサル・ルームを持つことができて、毎晩行ってプレイして……。なんというか、徐々に、少しずつ膨らんで行ったんだ。別 に何を期待していたわけでもなく、好きだからやってたんだよね。で、突然、ライブをやっても大丈夫だって気づいて、実行に移してみたわけなんだ。


では、今からあなたのバンドに関する噂を広めるか、もしくは今存在する噂を否定してください。

T:うーーーーん。


では広める方から。

K:広める方ね。(窓の外を見る)。Didzからインスピレーションを得ようとしてるんだけど。

T:うん、Didzをネタにすべきだね。

K:「実は俺たちはみんな牧場で働いている。もしくは働いてた」。これはあんまし良くないな。

T:つまんねー。

(ギターのDan[以下F]がバスに乗ってくる)

T:俺たちのバンドの噂で、お前が聞いたことのあるものとか、今から広めたい噂ある?

F:聞いたことのある噂とか、広めたい噂ねえ。

T:なんでもいいよ(笑)

F:むちゃくちゃ難しいな。(咳をする)じゃあ俺たちは喉から変な音を立てるとか(笑)。

K:Didzネタを考えてたんだけど。

F:ああDidzね。Didzの傷は本物じゃないっていうのはどうだ?

K:(インタビュアーに)そうだよ、君、彼に傷を見せてもらいなよ。


何の傷なんですか?

K:手術の傷っていうことになってるけどね。でもあれは気を引くための作戦なんだ。


誰ですって?

T:Didzだよ。彼は自分を傷つけることと、自分を喜ばせること、自分を誘惑することが好きなんだ。

F:そうだ、あいつがこんくらいの穴を(拳を突き出す)わざわざ脇腹に作ったってのはどう? 何かを突っ込むために?

T:そうだね。性的なリビドーを高めるためにね。

F:そこにお茶っ葉とか、HBの鉛筆とかを突っ込むのが好きだとか。実際、道路用のコーンの先くらいのものは突っ込めるよな?

T:で、そのコーンの中に、物を入れとくんだ。

K:いいね。(インタビュアーに)このくらい気持ち悪ければ合格?


ええ、それでいいです。

K(笑)


きっとみんな信じますよ

K、T(爆笑)


それでは、オススメのバンドを5つ挙げてください。

T:Undergraph Generator、Black Orchid、AC/DC……

A: ザ・フェイセズ。

T:うん。それとブラック・サバス。


新しいPVの計画はそろそろあるんですか?

F:(咳をする)

T:ツアーダイアリー的なものは録ってあって、リリースするって話だったんだけど。

F:(また咳をする)

K:うわぁ、ごめんねぇ。(>Fisherの咳に対して)

F:(まだ咳をしている)


あれも噂にできますね。彼は死にかけてるとか。

K:ああ(笑)そうだね。

T:……でも結局リリースしなくて、だから今は別に計画はないよ(>まだ続いてた!)

K:うん。ライブをビデオにしたかったんだけどねえ。


何用にですか?

K:曲のプロモ用じゃなくて、インターネットでダウンロードできるようにしたかったんだ。元々そういう計画だったんで。


いいですねえ、ライブDVDみたいな感じに?

K:それもいいな。実際は何も計画はないんだよ。でも今のは頭に入れておくね。


私も参加していいですか? 私のアイデアってこと忘れないでくださいね。

K、T:もちろんだよ!


超能力を持てるとしたら、どんなものがいいですか?

K:たぶんこれ前に話したよな。飛べたらいいってことになったんだよな。

T:(混乱した様子)

K:ごめん、違ったかも。


本当に話したんですか?

K:うん。俺は個人的には飛びたい。

T:ツアーマネージャーが言ってたんだけど、彼は自分の考えを録画できればいいって。

K:何に?

T:ビデオとかに。

K:なるほど。それいいかも。自分の考えのDVDを録って、人にあげるとか? 「これ僕の考えです」って言って?

F:でもそれって意味ないんじゃないかな。だって考えって一瞬のものだし。どうしてそれをあとでもう一度見ないといけないわけ?

T:そりゃそうだけど、そしたら他人がそれを見れるじゃん。

K:自分が天才だったときのことを考えてみなよ。

T:で、そのあと読心術ができたらいいねって話になって、やっぱやめたってことになったんだよ。

F:自分の真っ暗な、深〜い思考を他人に見せたいんだ。

A:酔っぱらいの出演してる24時間ぶっ続けのポルノ映画ねぇ。みんな見たがるだろうな。

F : そりゃないって。彼(ツアーマネージャー)は彫刻を彫ってるとかに違いないよ。あいつはそういう、彫刻家とかつまんないもんになるタイプだよ。

K:大体超能力じゃないじゃん。

F:何が。

K:思考を記録できるのって。


ええ、クールですけどね。

K:うん、クールなものじゃないと。

T:うーん、確かに超人間になるってのはクールと考えていいな。

K:うん。でも要は人々の助けになって(ゲップ>原文:喉に泡が詰まった)自分もその力を楽しむってことが大事だな。

F:俺はバブルマンだぞぉって!

K:いや、飛ぶのがいい。

T:俺は指先から泡が出たらいいなあ。どの指からでもね。バンバンって撃つと、ブワブワブワって……(笑)。

K:ダメだよ、なんかひとつ選ばないと。

T:じゃあ読心術。

K:読心術ね。素晴らしい。


(Fisherに)あなたは何をしたいんですか?

F:思考で物を動かしたい。どんな物でも。

K:それって、テレ……。


テレキネシスですね。

F:でもやめた。消えて、また現れるっていうのがいいな。

T:で、ミステリオと呼ばれると(笑)。


では、アドバイスもしくは、知恵に溢れるひとことをお願いします。

T:絶対あきらめないこと

K:絶対負けないこと


すばらしい。映画になったら、このセリフをぜひ言ってくださいね!

K:台本くれよ、そしたら書き直してあげるから。


では、このへんで終わりですね?

K:そうだね。もう人に与える知恵も残ってないし。


わかりました。ありがとうございました。楽しかったです。

T:どういたしまして。気をつけてね。